「分かってるけど、夜になる度に考えちゃうの。湊月くんは本当にわたしで満足なのかなって……」


ーーつい、先日のこと

いつものように湊月くんと一緒に下校して、とあるお店に寄り道をした。

そこはわたしのお気に入りの雑貨屋さんで、その日は新作を買いに来たんだけど、他のお客さんが湊月くんのことに気づいてコソコソと話しているのが耳に入ったんだ。


「ねぇ。あそこにいる人、この前Skyの広告に出ていた人だよね?」

「ほんとだ!かっこいい〜。声かけてみる?」

「えぇ〜。でも、さっき彼女っぽい人いたよ?」


あ。ちゃんと彼女に見られてたんだ。わたし外見が少しコンプレックスだったから嬉しいな。


「う〜ん。妹とかじゃない?なんか子供みたいだったし」


妹!?え、子供って……。わたし高校生なんですけど…!!

今すぐ訂正にしに行きたいけど、あんまりでしゃばったら本当に子供みたいに思われる。ここは我慢よ。大人になれわたし!



子供っぽいなんて言われてから自分に自信が持てなくなって、湊月くんの隣にいるのはふさわしくないんじゃないかって考え込むようになっちゃった。

身長は平均的だし、顔はよく童顔だって言われる。体型だって出て欲しいところは控えめに終わってしまった。

少しでも大人に見られるように髪だけは伸ばしていたけど、それでも変わらないみたい。