湊月くんの甘い溺愛に困っています

ーーそれからに1週間後


撮影日程が決まって、その場所であるSkyにやって来た。


「本当にわたしがお邪魔して大丈夫かな?」

「夢がいた方が俺がリラックス出来るだろうって空野さんが言ってたから大丈夫」


湊月くんは落ち着いているみたい。逆にわたしが緊張しちゃう。肩に力入りまくって凝りが出てきた…。


貸切状態になったSkyはカメラやそのほかの機材でいっぱい。厨房では使われるラムネソーダが数杯用意されていた。

そして今回のメインの夏みかん。その香りが部屋いっぱいに広がり、ガチガチに固まっていた身体がほぐされる。

テラスに行くと空野さんが出迎えてくれた。相変わらずアロハシャツとハーフパンツという、とてもラフな服装だ。


「おはよう神尾くん、朝日奈さん」

「おはようございます空野社長」

「おはようございます」


話しやすい柔らかい口調での挨拶は周りの緊迫した空気が変わる。スタッフの1人が確認をお願いすると気兼ねなく接し、まるで友だちと会話をしているような感じだ。

これが空野社長の人柄。相手に威圧をかけないで、相手が接しやすいようにする。実際話していても嫌な感じがしない。

周りの信頼が厚いというのは空野社長自身の人柄の良さからできているものなんだ。


「神尾さん、ヘアセットします。更衣室に来てください」

「はい。夢、行ってくるね」

「行ってらっしゃい湊月くん」