湊月くんの甘い溺愛に困っています

「あの〜お客様。今お時間よろしいでしょうか?」


突然話しかけてきたのはSkyの店員のお姉さんだった。


「何かありましたか?」


対応したのは湊月くん。さっきまでとは打って変わって、冷静な口調で話す。


「実は御社(おんしゃ)の社長が話をしたいとご要望がありまして、応接室の方に来てほしいとのことで…」


Skyの社長さんが?どう考えてもただ事じゃない。湊月くんと行くことを決め、店員さんに着いて行った。

通されたのは厨房の近くにある応接室。ここも内装にこだわっていて、Skyのトレンドカラーである空色が多く使われている。

店員さんがノックをすると、部屋の奥から渋い声が聞こえてきた。

中に入ると、アロハシャツにハーフパンツを着、少し太やかな中年の男性。革でできたソファーの上にどっしりと座っていた。


この人がSkyの?さっき聞こえてきた声とは大分イメージが違う。


「やぁ、待っていたよ。とくに君」


そう指さしたのは湊月くん。互いに目を合わせたが、状況が飲み込めない。そんなわたしたちの様子を見て、社長さんは手招きをして、ソファーに座ることを勧めてくれた。


「突然すまないね。せっかくのデート中に」

「いえ」

「自己紹介がまだだったね。僕は空野 継春(そらの つぎはる)Solano(そらの)ホールディングス代表取締役をしている。以後お見知りおきを」

「神尾 湊月です」

「朝日奈 夢です」