湊月くんの甘い溺愛に困っています

ひんやりとしたアイスのおかげでさっきまで火照っていた身体が冷めていく。


湊月くん、日に日に積極的なってきて対応が追いつかないよ〜。あ、でも、わたしが食べるのを待っている湊月くん、少し赤くなっていて可愛かったな。

スプーンをわたしの前に出してきた時はいたずらっ子みたいに笑っていたのに。

このままされっぱなしは嫌だ。やり返そう…!


「湊月くん」

「なに?」

「はい、あ、あーんして?」

「えっ…!?」


自分からやり返そうと思ったけど、こっちが照れちゃう。湊月くんも驚いて挙動不審になってるし。これは効果ありと見た!


期待を胸に待つ。すると突然湊月くんはわたしがスプーンを持っていた方の手を掴んだ。

引き寄せて、すくったアイスを一口で食べると上目遣いでこちらを見てから、姿勢を元の位置に戻す。


「少し焦ったけど、せっかく彼女からお願いされたんだ。しっかりと応えないとね。ごちそうさま夢」


まるで、なにも無かったかのような爽やかスマイルが直撃し、見事仕返し失敗。

悔しいぃぃ!いつかガチ照れさせてやる…!


「ははっ、残念だったね」

「もうー。上手くいくと思ったのに」

「まだまだ詰めが甘いな。俺をドキドキさせようなんて10年早い」

「さっき“焦った”って言ってたよ」

「さぁ?なんのことかな?」


白々しいなぁ。それにしても誤魔化すなんて湊月くんにしては珍しい。いつもなら「そうだね」って素直に認めるのに。