「相変わらずだね、夢ママ」

「看護師さんだもん。仕事忙しいのに家事はほとんどやって、わたしとの時間も取ってくれて。欠点を一つ挙げるとしたら、食事をあんまり取らないところかな?」

「きっと食事が取れないくらい忙しいんだよ」

「ううん、ママはもとから食事に関心がないの。ちゃんと食べた?って聞いても『う〜ん、今日は寝たい気分だから』って言って寝るんだよ!?睡眠も大事なのは分かるけど、食事も大事な休憩だっていつも自分が言ってることなのに無関心にも程がある」

「ははっ。ここまで来ると、どっちが看護師さんか分からないね」

「湊月くんからも言ってよ。わたしとパパが言っても聞かないんだから」

「それは…」


湊月くんって、わたしのママに弱いな。まぁ、人に口出しできるタイプじゃないから仕方ないか。

ーーよし、これで出かけられる。


ママの食事を用意し、前髪を整えてようやくデートに出発することが出来た。


「夢どこか行きたい場所ある?」

「えっとねぇ…ここ!最近出来たばかりのドリンク専門店。ブルーハワイが美味しいんだって」

「“Sky(スカイ)”っていうのか。爽やかそうなお店だね」

「でしょ。今日みたいに気温が高い日にはここがいいんじゃないかって。そうと決まったら早く行こう。人気ですぐに売り切れるらしいから」