湊月くんの甘い溺愛に困っています

午後の授業は体育から始まる。単位制用の別校舎側にある渡り廊下から体育館に向かうことになる。

ジャージに着替えたわたしと優花里はお喋りをしながら体育館へと歩みを進めていた。


「夢。ほら、神尾くんがいるよ」


優花里の指さした方向にジャージを着た湊月くんがいた。わたしのクラスは体育の時間、単位制の生徒と行う。

人数が少ないのでその分、教科担当の先生の負担を減らすことになる。


「きゃー神尾先輩!」

「ジャージ姿もかっこいい」


同級生の男子たちよりも背が高く、スラッとした足のラインがジャージ越しでも分かるくらい美しいものでその容姿は学年問わず、人々を魅了する。

気温が上がってくる時間帯。腕まくりをして引き締まった白い肌の腕がわたしの胸をドキッとさせる。

同じように周りの女子たちも「きゃー」と声を上げた。


「夢」


わたしに気づいた湊月くんがこちらへやって来た。所々からの痛い視線がわたしに刺さる。


「湊月くん。今朝はその…」

「ううん、気にしてないよ。急ぐことはない。夢のタイミングでいい。少しずつ俺たちなりに進んでいこう」