目をギュッとつぶって想いを通じることを祈った。

すると頭にポンと何かが乗り、驚いて目を開ける。上を向くと湊月くんがわたしの頭を優しく撫でていた。


「ほんとは俺から伝えたかったな。先越されちゃった」

「湊月くん。あの、頭」

「可愛くて仕方ないから撫でさせて。夢ってほんと、最強だわ」

「最強って何よ!?…湊月くんなんて顔赤くなってるくせに。可愛いのはどっちよ、もう…!」

「好きだよ」

「えっ…?」


わたしの頭を撫でていた手は腰にかかり、彼の腕の中へと収まる。


「夢のことが好き。本当は高校卒業するまでって思ってたけど、もう我慢出来ない。さっきの夢の言葉で決意した。事が済んだら告白するって。まさか先に言われるとは思ってもみなかったけど」


「嬉しい。私もね好き、大好きだよ…!伝えられて良かった。このまま終わりを迎えるんじゃないかって不安で。でも幼なじみでいるのは苦しいの。辛いの。湊月くんとの時間が多ければ多いほど、好きが溢れて、大きくなっていく。これ以上気持ちを押しつぶすなんて出来なかった」