湊月くんの甘い溺愛に困っています

「そ、そうだね。あはは……」


それにしても…さっき政也さんが言った言葉、『完璧は時に自分を苦しめる』か。もしかしたら彼自身がそのような人間だったのかも。

いや、今も彼はその完璧から抜け出せていないんだ。

復帰から白石様と王子様キャラがファンに完璧な印象を与えて、少しも気を抜くことが許されない状況を作ってしまっているのかもしれない………。


「夢、そろそろ行かないかい?」

「あ、そうだね。優花里、政也さんわたしたち行きますね」


優花里たちとは学校で別れたわたしたちは特に目的地を決めずに道をひたすら歩みを進めていた。傘は湊月くんの一つだけ。わたしのは閉じて相合い傘をしている。


「湊月くん撮影大変?」

「大変だよ。覚えることが多くて。思うように身体が動かなくて。その度にリテイクが重なって、撮影が進まないこともあってね」

「うわぁー大変そう……。私がたくさんリテイク出したらプレッシャーで押しつぶされそう」

「確かにプレッシャーで押しつぶされてしまいそうになることもあるな。政也はこれくらいが普通だって言ってたけど、足手まといにならないように何とかリテイクを少なめにしないと。今日の撮影ではね、リテイクなしで出来たんだ」

「え!凄い…!さすが湊月くんだよ!!」