「夢ちゃんさ、湊月さんに会えなくて寂しい？」

「…寂しいですよ。今日も撮影で遅くなるって連絡が。もう2週間。いつもならあっという間に感じるのに」


突然の質問に気持ちがぶり返して泣きそうになった。気づいた白石様がわたしの手に自分の手を重ねた。


「なら、その気持ちを伝えればいいんじゃないか？俺ならそんな顔させない……」



真剣な目付きでわたしを見つめ、重ねた手は力強く握られた。初めて知った彼の優しさに心を委ねたくなる。



「ごめんなさい。今は湊月くんを応援するって決めたんです。寂しいって気持ちもこの姿も見せたくない」

「苦しいままで夢ちゃんは頑張れる？嫌じゃない？」

「苦しいし、会えない時間が減るのはもちろん嫌です。けど、頑張る彼の邪魔をしたくない。彼女なら彼の気持ちを尊重して支えてあげるのが1番ベストだと、わたしは考えています」

「夢ちゃん………」



白石様の言うことも間違いじゃない。本当に親しい存在なら弱いところを見せることは決して悪いことじゃないけど、我慢するのも大事なんじゃないかな？

湊月くんだってわたしに会いたいって気持ちはゼロじゃないと思うし、毎日忙しい中でも必ずメッセージを送ってくれるからわたしは会いたくても我慢をすることが出来るんだ。