まさか私が告白されるなんて


 その後、私達は琢磨君の部屋に向かい、教科書を開く。

 「水奈さん、僕は」
 「どうしたの?」

 急に意味深だ。

 「テストよりも夏休みの方が気になってるかな」

 私と一緒だ。
 正直私は夏休みの方に目線が撮られている。
 だって、琢磨君と過ごす夏休みなんて初めてだし、
 今までの夏休み。私はずっと一人で家にいたもん。
 たまに図書館とか、公園には行ってたけど。

 「私も楽しみ。ね、海行こうよ」
 「ああ、僕も海に行きたい」
 「あ、でも」

 私はふとあることを思い出す。
 私、水着持ってない。

 私たちの学校では水泳の授業がない。
 中学ではあったけど、正直もう入らないと思う。

 中学の時に比べればだいぶ体も大きくなった。
 ……太ってはないと思うけど、中学一年生の時に買ったものだから。

 「水着持ってなくても大丈夫だよ。僕と一緒に選ぼう」
 「っうん! ありがとう」
 「っそう言えば本題に戻らないと」
 「本題?」
 「勉強」

 あ、そう言えばそうだった。ここには勉強をしに来たんだった。

 「じゃあ、気合入れなきゃね」

 そう言って私は拳を握った。

 そして私たちは教科書を読み始める。

 勉強は苦手だ。
 赤点常連まではいかないけど、そこまで得意ではない。
 だからこそ、机に向かってまだ10分しか経っていないけど、もう勉強をやめたくなっている。

 「はあ」

 私はため息をつく。
 疲れた。

 「まだ10分だよ」
 「うん、わかってるよ」

 分かってる。分かってるけど、辛い。
 琢磨君の顔をじっと見る。

 そうだ、私。
 琢磨君の顔を見て、やる気に変えるんだ。

 そして琢磨君の顔をじっと見ながら世界史の教科書をじっと読み込む。
 数学とかなら、琢磨君に教えてもらえるけど、暗記系科目はどうしようもないのだ。

 この前は集中が途切れなかったけど、今日はだめだ。