そして、
「ごめんね、山本さん」
私は謝られた。
相手は春原さんだ。
誤られる理由は分かっている。
「ごめんね。デマを鵜吞みにして」
その顔は本当に申し訳なく、思っているような感じだ。
私は、春原さんに頭を下げさせている。
「私はショックだった。春原さんにあんな表情をされるなんて」
あれは本当に泣きそうになった。
春原さんまでも、嘘を信じてしまい、首謀者である純恋ちゃんにすがるしかなくなったのだ。
「でも、春原さんが悪い訳じゃない。だって、春原さんは騙されたんだから」
純恋ちゃんのせいだ。悪いのは純恋ちゃんただ一人だけだ。
「だから私は春原さんを許すよ」
私は彼女にそう優しく告げた。
その瞬間、春原さんの顔がほんの少しだけ明るくなった。
「ありがとう」
そう言った春原さんに私はにっこりと笑いかけた。
「みんなも許すよ。私が許せるなんて言える立場かは分からないけど」
私は近くにいた人たちにもまた、そう告げた。
「だから変に気を使わないでくれるとありがたい、です」
私がそう言うと、隣にいた琢磨君が「偉いぞ」と言って頭を撫でてくれた。
「私、子どもじゃないよ」
そう言うけれど、正直嬉しかった。

