まさか私が告白されるなんて


 結局その日は、琢磨君に関するうわさが広まる、なんてことはなかった。
 私だけに納まって良かった。
 でも、まだ解決なんて言うものは一切していない。

 私はまだ見えないいじめを受けているんだから。


 結局証拠映像も消されてしまった。

 私に残された手はほとんど残っていない。


 「おはよー、水菜ちゃん」

 そう、元気で手を振って来る。

 それを見ると、まだ仲の良いふりを続けてるらしかった。
 私は正直なところ、どう反応したらいいのか分からない。

 私は、それを無視して。

 「琢磨君、行こ!!」

 私はそう言って琢磨君の手を取る。
 裏切られたのだ。
 もう、純恋ちゃんと話すことは出来ない。

 「うん」

 そう言った琢磨君が私についてくる。

 「あらら」

 純恋ちゃんがそう言ったのを振り返らずに私たちはそのまま走って行った。


 「はあはあ」
 「いいのか?」
 「うん。だって」

 もう、どうしたらいいのかわからないんだし。

 「無視するしかないでしょ。私には琢磨君がいるんだし」

 琢磨君がいたら他には何もいらない。
 琢磨君さえいればいい。
 私の好きな人なのだから。

 「だから」

 私は琢磨君に飛びついた。

 「おいおい」

 そう言いつつ、私を抱きかかえる。
 いくら人のいない空間に来たからって大胆過ぎだ。
 でも、それでもいい。

 そして、二人で校庭のベンチでご飯を食べた。
 それもまた幸せだった。