そんな中、琢磨君が教室の中へと入っていく。
「これはどういう事なんだ?」
そう、琢磨君が訊くと、彼女はぎゅっと口を紡いだ。
そして、
私の手の中の携帯をとっさに奪った。
「返して!!」
私はそう叫ぶ。
そこで一つまずいことに気が付いてしまった。
そう言えば、私の携帯、ロックパスワードとか設定していなかった。
そして彼女は手慣れた動きで私のスマホを捜査していく。
「あたしのかち」
そう言った純恋ちゃんは動画の消去ボタンを押していた。
「なんでこんなことを?」
「あたしが、貴方のことを手に入れたいからよ」
「え?」
「貴方が友達いなくなったら、孤立するでしょ。だからあたしが独り占めできると思ったのよ」
確かに私にも興味があると言っていた。
だけど、それでも、やり方が過激すぎる。
「こんなの私は求めてない」
求めてないどころか最低だ。
デマを広めて結果的に私の学校生活の邪魔をして。
「先生に訴えますよ」
「出来るかな。あ、琢磨君も覚悟してね」
そう言って鼻歌を歌いながら教室から飛び出していった。
証拠、取れなかったなと。私は肩を落とす。
これじゃあ、暗い未来しか見えないよ……。
「琢磨君」
私達はその後を見ながら琢磨君を見る。
「まいったな」
そう言って琢磨君は自身の髪の毛をわしゃわしゃと書き立てる。
「僕に打てる手はもうないかも」
私たち二人は互いに目を見合うしかなかった。

