あらすじ
 
 ここは、石川県のとある観光地・茶屋町。
その一画にある老舗和菓子屋の看板娘「長谷川雪乃」が、親の縁談により町屋一番の御曹司「田上悠一朗」の元へ嫁ぐことになった。

 町屋全体で盛大に祝言を執り行うものだと思っていたが、祝福モードは一転。町屋では不穏な空気が漂い、数々の嫉妬や嫌がらせに、雪乃の心は次第に蝕まれていく。
 互いの自由を尊重し合う「恋ナシ婚」から始まった夫婦生活にも様々な疑惑が募り、距離を縮めるどころか、心の溝は深まるばかり…。

 そんな中、追い討ちをかけるかのように、雪乃は悠一朗の想い人の存在を知ってしまう。
 しかし、長年大切にしてきた"あるもの"が、雪乃を救い、運命を大きく動かすこととなる━︎━︎。
 
 雪乃と悠一朗は、互いに心を寄せながら、幸せな結婚生活を送ることができるのだろうか…?

 それぞれの人間が誰かに必要とされ、認められ、愛されていく機微を綴った恋愛小説。