「そうですね」

「鳴海くんもそう思うかね?君もそれだけの器があるんだから、もっともっと大きな会社になるぞ。ハッハッハ」


パパを家まで送り、私と鳴海は重い空気に包まれた。


「今日は本当にごめんね」

「……?」

「…パパが…」

「何で謝るんだ?」

「だって、余りいい気はしないでしょ…?」

「俺も男として、アイツは凄いって思ってるよ。それに…綾香にとって、アイツがただの過去になってんだったら、俺にとってもただの過去だよ」


胸が痛かった。


私にとって、哲平は過去になってないから…。