ー翌日


朝早くに珍しく。パパから電話が鳴った。


「…はい」


まだ眠たい目を必死に開けて、電話に出る。


「綾香か?お母さんは居るか?」

「…ママ?ちょっと待って」



寝ぼけた私は部屋を出て、実家じゃない事に気付いた。


「来てないけど…?」

「昨日の夜から電話に出ないんだ。明日まで帰れないんだよ。何かあったらいけないから、見に行ってくれないか?」

「…うん」

「頼んだぞ!」


そう言うと、パパは急いで電話を切った。

そんなに気になるなら、仕事を切り上げて帰ればいいのに…。


私は一度実家に電話をして、ママが出ない事を確認すると、服を着替える。

又、鳴海の部屋で一緒に寝る事をしていたから、休みでまだ寝ていた鳴海が、眠そうに言った。


「何処かに行くの?」

「…ちょっと実家に」

「……」


不安そうな顔をする鳴海に言った。


「里帰りじゃないよ?ママが電話に出ないから、パパが様子を見に行けって」

「…倒れたりしてたら…おれも一緒に行くよ!」


鳴海の一言で、私の不安が一気に大きくなって、私と鳴海は急いで実家に向かう。



何もありませんように…