披露宴の会場に着くと、哲平が聞いて来た。


「東城さん、上手くいってんの?」

「…うん」


上手くいってないなんて、言えないよ…。


「…そうか」


そんな寂しそうな顔しないで…。
哲平だって彼女いるでしょ?

電話に出た彼女…。


「哲平は?彼女と上手く行ってるの?」


私は必死に笑顔を作って聞いた。


「……?俺、彼女なんて居ないよ?」

「だって、前に携帯に電話した時…」

「…?お前の着信が残ってた事なんてなかったよ?」

「……?」

「でもいいや。電話くれたってのが、すっげー嬉しい」


そう言って、子供みたいな笑顔で笑う哲平にドキドキした。


「まぁ、俺はいつでもOKだからさ…」

「…?」

「いつでも電話して来いよ?」


電話しちゃうよ?
そんな事言われたら…
私……。

久し振りに過ごす哲平との時間は、凄く懐かしくて、楽しくて、あの頃の感覚を思い出すように、あの頃の気持ちが甦るように、甘くて切ない…。


披露宴は少し不機嫌そうだったマリナのお父さんも、最後は笑顔で、皆幸せそうな顔をして、幕を閉じた。


「二次会、どうすんの?」