哲平は少し大人っぽくなっていて、あの頃より男らしく、余裕すら感じる…。


「ほら、入って来るぞ?」


教会の入り口を見ると、ドレスを身に纏った凄く奇麗なマリナと、少し不機嫌そうなマリナのお父さんが入って来た。


「奇麗…」

「あぁ」


マリナは新郎に腕を回すと、凄く幸せそうな顔をしている。

花嫁って、あんな顔をするんだ…。

式は着々と進み、挙式が終わると、私と哲平は一緒に教会を出た。


「俺、受付まだだから行って来るよ」

「うん」

「ここで待ってろよ?」


哲平はそう言って、受付に急いで向かう。

私はその場所の隅の方に少し寄ると、席次表を開いた。

友人席の私の名前の横に、哲平の名前がある…。


「俺達、隣の席じゃん!」


そう言いながら、哲平が戻って来た。

昔と変わらない笑顔、見せないでよ…。

あの頃の二人のままだって、錯覚しそうになる……。


「どうした?」

「ううん。マリナと仲が良かったの?」

「…あの事があって、色々相談してたからな」


哲平は寂しそうに笑った。


「行こうぜ?」

「…うん」