うわん。うわーん。こんなの最悪な幕開けだ。うわーん。




「ちょっと、私あんたの彼氏じゃないよ。朝陽くんに慰めてもらいなよ」

「その名を出すな!!!!」




女子高生歴約1週間、こんな始まり方あまりに前途多難だ。



人生最大の怒涛の登校を振り返って頭の中で整理してみよう。



まずわたしはぴかぴかの1年生、汚れも穢れも知らない純白ガール(自称)だったわけで、スキップしそうなくらいるんるんと校舎までの道を駆けていれば、目の前で落とし物をした人がいるではありませんか。



気づく様子のないその人に変わって拾って渡そうと、その時までは甘い考えでいたわけです。そしたらその男の子がもうなんていうか、超絶イケメンで素晴らしいお顔を持っていて、思わず「好き」なんて言っちゃった。



そしたらね、「だるい」って言われて速攻振られ、気がついたら失恋相手と同じ顔の人に名前呼ばれてちゅーされた、ってわけ!!わたし史上最強に濃い朝8時を過ごしちゃったってわけ!!!!