小夏:でもさ。よく言うじゃん?恋は駆け引きだって

剛志:なんか聞いたことあるな

小夏:好きになった方が負けとか惚れた方が負けってやつ

剛志:それがどうした?

小夏:ほら、あたしも昔剛志に負けたくないとか言って色々強がってたけど、今の現状を考えたらそれは違うんじゃないかなーって思ったんだ

剛志:ん?

小夏:負けてよかったんだよ。あの時からずっと。あたしは剛志に負けて好きって言うべきだったんだ

剛志:………それは…どういう

小夏:今、あたしが剛志のこと好きになって、れなも一緒に居て、こんなに幸せなんだもん。それなら負けでいい

剛志:………

小夏:だからさ、剛志

剛志:うるさいぞ

小夏:………え?

剛志:勝ち負けじゃないだろ……人と人ってのはさ

小夏:……うん。例え話だからね

剛志:なんかわかんねーけど、お前が死にたいって言った時、なんでお前が死ななきゃいけないんだって思ったんだよ

小夏:どうして?

剛志:だって、お、お前は料理も上手くて、気が利くし、子供にも優しいし、か、か、可愛いだろ!

小夏:………

剛志:手だって柔らかいし、体だって折れちゃうんじゃないかってくらい華奢だし、ネイルだってオシャレだろ!金髪の髪でもサラサラしていい匂いするし!お前を見てると……ドキドキすんだよ

剛志:そんなお前が俺のところに来てくれて……おちょくってきてうぜーけど、なんか憎めなくて……そうやって笑ってるお前を見てると…なんか……なんかな……

剛志:幸せなんだよ

小夏:…………にゃはっ