暫くして寝息が立つのを確認すると、フランは二人を起こさないよう静かに口を開く。
「・・・・・・君はあの時、見ていた?」
「・・・ああ。一瞬にして大勢いたはずのノワール兵が消えた。・・・・・・あんただけを残して、全員」
「本人はその時のことを覚えていないみたいだったけど。でも、きっとあれは、リースの・・・・・・」
やがて傾きかけていた日はそよぐ風と共に少しずつ辺りを赤く染めていく。
「あんたはそいつの何を知っている?」
眠る彼を見つめ、魔力を感じとる。
・・・・・・微かにだが他の人とは違う力がリースにはある。
だけどそれがなんなのか・・・。
「当時カメリアが襲われ、多くの犠牲者が出た。国王だったおじさまは神器保有者と深く関わっていたために命を狙われたんだ。
それで身を隠せる場所を探すためについてこられるカメリア民を引き連れ、地を彷徨い歩いた。僕もその一人だ・・・」
「・・・・・・」
「そんな中、集落と思われる場所でまだ赤子だったリースを見付けた。
・・・・・・さっき起こったことがリース自身の力なのかはわからないけど・・・。
あの時・・・、彼を見つけた時、そばに一人の亡骸が倒れていたんだ」
「・・・・・・それが誰なのかは」
「おそらく・・・・・・、
・・・・・・リースの母親だと思う」

