スカイ・ネイル




「・・・・・・バルデには言わないわ。顔を上げなさい」


「え・・・・・・?し、しかし・・・」


「いいって言ってるのよ。それより・・・」



エシャロットは窓枠に頬杖を付きこちらに振り向く。

髪が風に靡かれ、絵になるとはこういうことを言うのかと思わされるくらいに一瞬心を奪われる。


「私も話に混ぜてもらっても良いかしら?」


「え・・・・・・。いや、でも、この話は・・・」


「大丈夫。貴方たち、悪い人には見えないもの。それにあの子と同じものを持ってる。・・・・・・少し、話しておきたいこともあるしね」


「話しておきたいこと?」


エシャロットは一度こちらに向き直る。
昨日初めて会った時に感じた気高く自信に溢れたオーラはそこにはなく、俯き気味に話し始めた。


「ステラがこの世を去ってから、ノワールだけじゃない・・・。私たち家族の間にも徐々に溝が生まれてしまって。近頃ガレットは帰って来ないし。フィーユは国の治安悪化防止のためにほぼ毎日見回り。バルデに至っては何を考えているのか・・・・・・。もう、わからないのよね」


「王妃様もガレットさんがどこにいるのかご存知ないんですか?」


「ええ。でも、きっと・・・・・・」


「・・・・・・?」


「・・・いえ。ただ、バルデには注意して。今の彼は何をしようとしているのかわからない。もしかしたら、貴方たちのことを狙っているのかも」


国王が俺たちを?

それって、何で・・・・・・。