ルチルの声に二人はぴたりと止まり、んん、と小さく咳払いするとフランはもう一度この後のことを説明していく。
「朝食を終えたらまずピケの同行の元国王のところへ行く。そこでこの辺り周辺の情報を聞いた上でザンスカールまでの最短ルートを教えてもらう。小さな街や集落があればそれも知りたいところなんだよね」
「確かに、野宿は避けたいわね。・・・・・・あと気になるのは、昨日フィーユさんが言っていた"良い機会"って何のことかしら」
「そういえばそんなこと言ってたな。俺たちが神器を持ってることに何か関係があるのか?」
難しい顔で考えていると、ふわっと紅茶の香りが鼻を抜ける。
顔を上げると、そこには優しく微笑むピケの姿。
「おはようございます。何か、お悩み事ですか?」
自然と不安を取り除くかのような声色で話す彼女は慣れた手つきでテーブルにティーカップを置いていく。
「おはよう。・・・・・・いや、昨日フィーユさんが言っていたことが気になって」
「何と仰られたのですか?」
「俺たちがここに来たことに対して、良い機会だって・・・。ピケにはこれがどう言う意味なのかわかるか?」
それぞれのカップに紅茶を注ぎ終えると少しの間考え、もしかしたら、と口を開く。
「王女様のことを言っているのかもしれません」
「それってどういう・・・・・・」
「・・・朝食を終えましたら、少し場所を変えましょう」

