スカイ・ネイル



ーーー




暗い夜空に一羽の鳥が舞う。


国王である彼はいつものようにここから飛び立っていくその様子を眺めていた。



「・・・・・・エシャロットか」



バルデは扉の向こうに馴染みのある魔力を感じたため、張っていた自らの力を解くと予想通り妻であるエシャロットが姿を見せた。


「こんな時間にどうした」


「それはこっちの台詞よ。今日は何の伝達?」


「君が全てを知る必要はない」



「・・・・・・言い方を変えるわ。何か、気になることでもあるの?」



突き放すような言葉の壁にぴたりと進めていた足を止める。

説明をしなくとも、もう何年もそばにいるのだからそれくらいはわかる。
黙ったまま微動だにしないその瞳の奥に隠された真実。

けれど、全てがわかるわけではない。



それを知って、あなたはどうするつもりなの?




「・・・」


「・・・もう、あの石のことは諦めた?」


「それはガレットがいずれ手に入れるであろう。彼の願いは私と同様。・・・・・・やはり、この国にはステラが必要なんだ」


「・・・・・・」



果たして今彼がしていることは正しい事なのでしょうか。


娘がいなくなってから、この国は少しずつ崩壊していった。

こんなはずではなかったのに。





私に、もっと力があれば。


この国も。



ステラのことも救えたはずなのに。