昔は本当に豊かだったというノワールのこと。
ステラはこの国を心から愛し誰もが彼女を崇めていたこと。
ちょうどピケが生まれるくらいにステラが命を落とし会った記憶がないこと。
使用人の朝は早いこと。
城の高層階から見る景色が綺麗なこと。
「あの・・・、私のお話ばかりしていませんか?大丈夫でしょうか・・・・・・」
「ピケさんのことも知りたいもの。あ、でも聞かれたくないことには答えなくていいのよ。女の子には言えない秘密だってあるんだから」
「なんだよ、それ」
「リースには言わないわよ」
理解できないでいるリースにフランは笑いを溢す。
「それにしてもこの国は敷地もかなりあるのに境界の辺りから整備されていたね。あれは城の人たちが手入れしているの?」
「はい。時々私たちもお手伝いすることがあるのですが、基本的にはお城の方々がやられています」
「そうだ、あの花・・・。あれも君たちが植えたのか?」
「お花・・・・・・。ああ、スズランのことですね。あれはステラ様が生前に自ら植えられたものです」

