「そうだわ。ウサギのぬいぐるみ。タクト、玄関に置いてあったウサギのぬいぐるみ知らない?」
「ウサギのぬいぐるみ?」
確か怪我をする前、偶然家の側に落ちていたのを見つけて何故かそのまま持ち帰っちゃったのよね。
すっかりそのことを忘れていたわ。
誰かの落とし物だといけないと思って後日持ち主を探すために家を回ろうと思っていたのだけれど。
どうして忘れてしまっていたのかしら?
タクトはそれについて心当たりがないようで首を横に振った。
「もしかして・・・・・・。いや、そんなわけないわよね」
この世には不思議なことがたくさんある。
あれがそうだったとしても、私はきっとこの先も大切にしていく。
だって今目の前にかけがえのない存在がいてくれているのだから。

