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「悪い、母さん。俺が下手な真似したせいで巻き込んじまって」
足の怪我で立ち上がるのも一苦労な私は椅子に腰掛けたまま自分の息子であるタクトの顔を見上げた。
「私を気にしてくれてのことでしょう。謝ることないわ」
気まずそうに俯く息子を本当は優しく包み込んであげたいけれど、時が経つのは早いもので日々街の建築や運搬作業をこなしている彼の腕はいつの間にか逞しくなっていた。
これくらいの歳であればさすがに嫌がられるだろう、そんなことを頭の片隅で考えながらそっとその腕に触れる。
いつだって相手の心を読み解き、たとえ結果が悪かったとしても受け入れてくれてしまう母をタクトは昔から尊敬しまた心配もしていた。
そのこともタクトの母はわかっていた。

