スカイ・ネイル




その後出発するために支度をし終えた俺たちはまた宿の入口付近に集まっていた。



「ここを出たら、予定を変更してノワール国へ向かう。多少距離はあるけど今日中にはたどり着けるはずだ。ただ、僕も初めて足を踏み入れるし情報も少ない。気を付けて行こう」


「わかった」

「了解よ」



厨房や奥で作業していたナギさんとラウドさんに挨拶をすると、それぞれ手を止めて見送るためにこちらへと来てくれた。


「もう行かれるのですか」


「はい。慌ただしくしてしまってすいません。ありがとうございました」


そこにユノが駆け付け、寂しそうに三人を見つめる。
耐えれずルチルは腰を落とし両手を前に差し出すと、小さな手は遠慮気味にそれを握り返した。


「ねぇ、やっぱりもう一泊しない?」


「うーん。僕もそうしたいところなんだけどね。先を急がなくちゃ」


僅かな期待も数秒で打ち切られ互いに肩を落とす。