場所をタクト家へ移すと、ルチルは早速呪文を唱えてみせる。
「ルポア」
タクトの左肩に白い光が集まり、ぶら下がっていた状態だった腕が次第に動かせるようになった。
「こんなことってあるのか」
嘘のように先程までなくなっていた指先の感覚に感動を覚え次に肩を回してみる。
「い゛っ!!」
「まっ、まだそんなに動かしたら駄目です!暫くは安静にしないと」
「そ、そうだな。嬉しくて、つい」
「・・・ほんとなら、これで完全に治るはずなんですけど、まだ見習いで」
この街ではあまり魔法を目にする事がないのか、二人ともルチルの治癒魔法に対しても興味津々な様子でその光景を目の当たりにしていた。

