「タクトーー、ちょっといいかしらー」
家の奥から彼のことを呼ぶ声がする。
「悪い、母親が足を怪我しててな。家の事を手伝ってたとこなんだ。ユノ、話の続きはまた今度な」
そう言ってタクトは家の中へと消えていった。
つまらなさそうに頬を膨らましながらユノは持っていたウサギのぬいぐるみに顔を埋める。
それを宥めるようにルチルは背中を撫でてやり、そろそろ戻ろうか、と手を引いて歩き出した。
宿へ戻ると、良い香りが外まで漂っていた。
テーブルに並べられた豪勢な夕食を目の前に空腹を抑えきれず、各々席に着く。
ナギさんは遠慮なくどうぞ、と言ってくれたのでリースらはその言葉通りいただくことにした。

