「あんたら、ラウドさんとこの客か」
短髪で筋肉質の体つきから、何か力仕事をやっている人のようだ。
「もう噂が広まっているんですか」
「噂というか、さっき偶然ナギさんの後ろを歩いているのを見かけただけだよ。宿屋にはいろんな人物が出入りするからな。今度はどんな奴が来たのか気になって」
ユノはこの人に慣れているのか服の端っこをきゅっと掴んでいる。
男もまたユノの頭にぽん、と手を置きくしゃくしゃと撫でてやる。
「タクト兄ちゃんに聞いたの。石がザンスカールにあるって」
その言葉を聞いた瞬間男の目付きが変わる。
「・・・この街に何の用だ」
急に張り詰めた空気に息を呑んだが、フランは相手の気に押されることなく前に出る。
「僕たちが"北の街を目指している"と話したら、この子が勘違いしちゃったみたいで。安心してください。僕らは束の間の休息を一緒に過ごしているだけですので」

