「旅人だ」 「この街に何の用だろう」 「・・・」 特にそれに反応することもなくそのまま街中を進んでいくと、彼女が営んでいるという宿が見えてきた。 二階建てだがそれほど大きくはなく、落ち着いたウッド調であるその宿はどこか温かみを感じる。 中へ通されると扉を閉めるなり女性は肩を落として息を吐いた。 それから思い出したかのように顔を上げるとリースらを空いているソファへ腰を下ろすように促す。 「ごめんなさい、まだ名乗っていなかったわね」