スカイ・ネイル



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「レグ、ザンスカールへ向かったみんなはまだ戻らないのか?」

積まれた書類を片付けながら、横で黙々と書物を整頓していた彼に声をかける。

「はい。城内の者達も薄々勘付いてきているように感じます。噂が広まるのは時間の問題かと」

「そうか・・・」

小さく溜め息をつく。
できれば気付かれずに事を進めていきたかったが、やはりそれはなかなか難しそうだった。

この国のほとんどの人が十五年前を経験しているとはいえ、噂が広まれば少なからずスカイ・ネイルを目指す者が出てくるだろう。
混乱は招きたくないのだが・・・。


すると部屋の戸がノックされ、返事を返すと入ってきたのは僕の幼馴染だった。

「ソティア」

「どうしたの、何か悩み事?」

長い付き合いだからか顔に出さないようにしていても彼女にはわかってしまうらしい。
事情を話すと納得したようで、こちらの不安を和らげるかのようにふわりと笑った。