「ねぇ、あなたは何か見たいところとかないの?」
そんなルチルは彼に対して一切恐怖心を抱いていないのか、特に気を使う様子もなく何食わぬ顔で問いかける。
「ここへは何度か来たことがある。行き先は任せる」
「そうだったの?それじゃあ・・・」
ルチルは当たりをきょろきょろ見渡し、目当てのものでもあったのかぱっと笑顔になると店の方へと駆けて行く。
「おい!逸れるぞ・・・ったく」
まあでも、あんなに楽しそうにしているのも滅多に見ない。
初めてのことだし今日くらいは好きにしてもいいかもしれないな。
なんだか当初の目的を忘れてしまいそうなくらい平穏な時間だ。

