「ありがとうございます」 「うん。・・・さ、そろそろ戻ろうか」 冷たかったはずの風はいつしか俺達を温かく包み込むかのように緩やかに吹いてゆく。 フランは立ち上がりそっと手をこちらに差し出した。 その手を何も言わず取ると俺自身も立ち上がる。 こうやって彼は自分自身を信じ続けここまで生きてきた。 彼を恨む人がはたして今この世にいるのだろうか? 何が正しいのかはわからない。 「どうしたら話してくれるか・・・」 何かきっかけがあればいいのだが。