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「・・・・・・着いたようだな」
あれから結構な長い道のりを歩きデザイアという街の前で立ち止まる。
草花や木々の緑が時折風で揺らめき街を包み込んでいるような様子がとても美しい。
自然に溢れている街、という印象だ。
しかしどこか不自然だ。
こんなにも見惚れてしまうくらい素敵な場所なのに、人一人歩いていない。
住人がそもそも少ないのか?
それにしてもどこからも物音すら聞こえてこないなんて。
「私の家はそこを行った先だ」
ケンの肩から顔をひょこりとこちらに向けつつ小さくその先を指差した。
言われた通り彼の家を認識するとその街へ足を踏み入れた。

