下から先へ目を向けるとそれは全く動く様子もなく地へ伏せている。
「さっき俺が通った時はいなかったが」
お互い顔を見合わせそのまま放っておけるはずもなく倒れていた男性に駆け寄った。
壮年くらいだろうか。
少し体を起こしてあげ、声をかけると彼は薄らと目を開けてくれた。
「おい、しっかりしろ。大丈夫か」
「ああ・・・少し道に迷ってしまって。・・・すまないが街まで送ってくれないか」
「なんていう街だ」
「デザイアっていうとこなんだが・・・」
「デザイアか・・・、少し距離があるな。なんてったってこんなとこで力尽きてんだよ」
眉間にしわを寄せつつケンは肩を貸してあげながら男をゆっくりと立ち上がらせた。
「いや情け無い。まだ人の手を借りずとも生きていかねばならないのに・・・」
「そんなこと言わないで。街まで送るので道を教えていただけますか」

