その声は・・・。
「ケンさん!どうしてここに」
止められた拳を下へと下げられ何を言ってるかわからないといった様子で空いているもう片方の手で後頭部をボリボリと掻いている。
「こいつの溢れ出てる魔力を頼りにここまで来たんだよ。お前、怪我はねぇのか」
溢れ出て・・・?
俺にはよくわからない。
魔法を使いこなせていないからだろうか。
「怪我は・・・その子が治してくれました。ルチルも無事です」
「そうか。・・・そっちのガキは」
自分のことだと気付き少しだけこちらに視線を向けたがその目は今にも敵を仕留めてしまいそうなほど殺気に満ちていた。
それでもケンは特に臆することなく一つ溜息をつく。
「そんな怖ぇ顔すんなよ。まあ大丈夫ならいいさ。コバルト国の王からお前を連れてくるよう頼まれてんだ。一緒に来てもらうぜ」
「力が目当てか」

