俺は今日も暴れる気になれずに1人で遠回りして帰る。
今日も人はいない。
夏も終わりに近づいて少しだけ過ごしやすくなったからちょっと寄り道して商店街で 買い物をして帰る。その帰り道ノロノロと歩いてくる人影が遠くの方に見えたから酔っ ぱらいのサラリーマンか何かだろうと思ったけど何だか嫌な予感がして気がついたら
俺はその遠くの人影に向かって駆け寄った。
もう歩けなくなったのかその場に座り込んでしまった様だ。
「あの、大丈夫すか?」
「痛い...。」
「って、笑美さんじゃないですか。」
「痛い...。」
痛いとしか言わない笑美さんの顔に目を向ける。
深く被ったフードから見える口から下の部分はものすごい怪我だった。
「誰がこんな事を。」
「水」
「喉乾いたんですか?この近くにコンビニもスーパーもないのでちょっと歩きますけど俺の家の近くの公園に自販機があるのでそこまで我慢してくださいね。」