「え……」
後方から聞こえてくる音と、ぴったり重なり流れている。あの音漏れをしている歌声と、自分のスマホから流れる曲が同じで。
(……ナギも聞いてる?)
珍しい。誰かの曲ならまだしも、配信者が歌うような曲を聞いているなんて。
こんなの一番興味なさそうなナギが、寝落ちしてまで聞いてしまうなんて。
配信者の名前は〝こころ〟。よっぽどこの界隈では有名なのか、深夜の配信にも関わらずもうすぐ五千に到達しようとしている。
(いや、たしかに綺麗だけど……)
ナギが聞いているというのが、今も信じられない。
人に興味を示さないあの男が、まさか配信者に興味を持つなんて。しかも顔出しもしていないような子の歌を聞いているなんて。
よっぽど惹かれるのだろうか。いや、まあ聞き入ってしまう声ではあると思う。
ナギへの驚きがなければ、俺も思わず聞いてしまっていたけれど。
「……ってか、これ素人の歌声じゃないだろ」
すっと耳に入ってくるのに、印象だけはしっかりと残していく不思議な歌声を、星のように流れていく景色を見ながら聞き入っていた。
後方から聞こえてくる音と、ぴったり重なり流れている。あの音漏れをしている歌声と、自分のスマホから流れる曲が同じで。
(……ナギも聞いてる?)
珍しい。誰かの曲ならまだしも、配信者が歌うような曲を聞いているなんて。
こんなの一番興味なさそうなナギが、寝落ちしてまで聞いてしまうなんて。
配信者の名前は〝こころ〟。よっぽどこの界隈では有名なのか、深夜の配信にも関わらずもうすぐ五千に到達しようとしている。
(いや、たしかに綺麗だけど……)
ナギが聞いているというのが、今も信じられない。
人に興味を示さないあの男が、まさか配信者に興味を持つなんて。しかも顔出しもしていないような子の歌を聞いているなんて。
よっぽど惹かれるのだろうか。いや、まあ聞き入ってしまう声ではあると思う。
ナギへの驚きがなければ、俺も思わず聞いてしまっていたけれど。
「……ってか、これ素人の歌声じゃないだろ」
すっと耳に入ってくるのに、印象だけはしっかりと残していく不思議な歌声を、星のように流れていく景色を見ながら聞き入っていた。