猫に生まれ変わったら憧れの上司に飼われることになりました

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なにかいい夢を見ていたような気がするのだけれど、ドヤドヤと人が病室へ入ってくる気配がして、夢の内容は一瞬にして忘れてしまった。

尚美が目を覚ました時、病室には男性2人と女性1人の姿があった。
男性はスーツ姿で仕事を抜け出して駆けつけてきた感じだ。

女性の方もエプロンをつけたままだから、家事をしている最中だったことがわかる。
「健一大丈夫なのか?」

60代近くに見えるスーツ姿の男性が心配そうな声でそう質問する。
その顔はどこか健一に似ていて、いや、健一がこの男性に似ているのか。

きっと父親だ。
突然の父親の出現に完全に目を覚ました尚美は慌てて健一の膝から飛び降りた。

こんな恰好で初対面することになるとは思ってもいなかった。
一気に緊張してしまい、体が震える。