喧嘩ばかりしてたらあっという間に四月も終わりが見えてきた。
桔梗の三角巾は取れて、今は包帯が巻かれた腕が剥き出しになっている。
あれから桔梗は本当に喧嘩をしていない。
借り人競走のルール説明会のときは色々あったみたいだが、あそこまで酷い喧嘩にまではならなかったそうだ。

体育の授業で、今は女子がサッカー、男子が陸上をやっている。
次回の授業から女子が陸上、男子がサッカーになる。
桔梗なんてサッカー上手そうだな、と無意識に考えていて、焦ってかき消した。
席替えも近づいていて、ちょっとだけ寂しい。ずっと桔梗の隣がよかった。
少しずつ桔梗を意識しているのも感じたが、今のところ学校で話すのは莉里と桔梗しかいない。
それに、異性への意識とはまた違う感情だ。
そろそろ恋愛もクラスで話題にのぼりはじめたので、少しだけ羨ましくなりながらも、私は木田くんを完全に忘れることが未だにできていない。

来月には中間テストや体育祭もあって、今よりもっと忙しくなるだろう。
充実するのも楽しみだ。
しかしそれだけのトラブルも起きる。
桔梗が喧嘩をしなければすべて丸く収まる気もするが、彼の性格上それは難しい。
来月はどうか、平和であってほしい。
大変だったけど楽しかった四月も、思ってるよりあっけなく終わってしまった。