The previous night of the world revolution8~F.D.~

俺はすぐに、『青薔薇委員会』の委員長権限を利用し。

帝都の観光ホテルに、片っ端から電話を掛けまくった。

無理を言って、ルレイア殿お望みの一流ホテルのスイートルームを、何とか確保した。

あの人の機嫌を損ねようものなら、どんな目に遭うか分からない。

箱庭帝国の命運の為にも、絶対にヘマすることは出来なかった。

「こ、こちらが用意したお部屋になります…」

「まぁ。とっても素敵なお部屋ですわ」

俺が苦労して確保した、ホテルの部屋に案内すると。

マリーフィア殿は両手を胸の前で合わせ、喜々として見渡していた。

喜んでもらえて何よりだ。

この女性は、部屋を確保する為に俺がどれほど奔走したかを知らない。

…片や。

「ふむ。なかなか良い部屋ですね」

「…」

俺の苦労を知っているに違いないのに、けろっとしているルレイア殿は、相変わらず人が悪い。

…まぁ、実にこの人らしいと言えるが。

いや、文句は言うまい。この方が箱庭帝国を救う為に、どれほど骨を折ってくれたかと考えたら。

このくらいじゃ、とても恩を返し切れないのだから。

「それでは、ごゆっくり…。えぇと、俺はこれで…」

邪魔者はさっさと退散。しようとしたのだが。

「あぁ、ちょっと待ってください」

ルレイア殿が、笑顔でこちらを向いた。

「な、何か?」

「明日の観光の打ち合わせをしたいので、後でロビーに来てもらえますか?」

この時のルレイア殿の、「分かってるよな?」の顔。

…この方に逆らえる人がいるなら、是非とも紹介して欲しい。

きっと前世は勇者だ。

「…はい、分かりました。行きます…」

そう答えるしかないじゃないか。箱庭帝国の存続の為に。

ついでに、そこでルレイア殿から詳しい事情を…多分、聞かせてもらえるだろう。