「それ」が終わると、いよいよ結婚式も大詰め。
新郎新婦は、参列者に祝福されて、フラワーシャワーを浴びながら教会の外に出てきた。
「おっ、やったぜ。ここからはスコープで見れるな」
教会の外に出てくれれば、もうアイズのカメラで見る必要はない。
アリューシャは、小さなタブレット端末から、愛用のスナイパーライフルのスコープを覗き込んだ。
俺も、先程まで使っていた双眼鏡を両目に当てて、結婚式の様子を観察した。
ルレイアとマリーフィアは、フラワーシャワーを浴びながら、笑顔で手を振っていた。
マリーフィアは、幸福を体現したような、輝くばかりの笑顔だったが。
ルレイアの方は、遠目からでも分かる「業務用」の笑顔だった。
長い付き合いだから分かる。あれが、ルレイアの本当の笑顔じゃないってことが。
…見ているだけの俺達は、好き勝手なこと言って一喜一憂出来るけど。
今あの場所にいるルレイアは、自分の役割を演じることに懸命で、一瞬たりとも気が抜けないんだよな。
そう思うと、ルレイアが気の毒でならなかった。
今すぐあそこに…ルレイアの隣に行って、ルレイアを安心させてやりたかった。
少しは気を抜いて良いんだ、って言ってやりたかった。
…今の俺には、そんなことも出来ないけどな。
無力な自分が、どうしようもないほどに歯痒かった。
忸怩たる思いで、双眼鏡でルレイアを見つめていると。
まるで、そんな俺の思いが伝わったかのように。
ルレイアは一瞬だけ、はっきりとこちらを向いた。
双眼鏡越しにルレイアと目が合って、俺は思わずたじろいだ。
えっ、う、嘘だろ?
そして、ルレイアはほんの一瞬。
「業務用」じゃなくて、本物の笑顔を…。
ルレイアの、本当の笑顔で微笑んだ。
まるで、目の前にいるかのように。
「…」
驚愕に目を見開いていると、次の瞬間にはルレイアはまた「業務用」の笑顔に戻って、参列者に愛想を振り撒いていた。
…い、今の見たか?
「今…ルレイア、こっち見たよね?」
シュノも気づいたらしく、びっくりして呟いていた。
「あ、あぁ…。こっちを見てた…」
「やべー。スコープ越しに目が合ってびびった。思わず反射的に引き金を引くところだった」
おい、アリューシャ。ルレイアを撃つなよ。
まぁ、今は弾が入ってないから、引いても撃つことはないけども。
「偶然…じゃないよな?」
見間違いでもあるまい。俺だけじゃなくて、アリューシャやシュノも見てるんだから。
「さすがルレイア師匠。僕達がここで見ていることを分かってたんでしょうね」
「マジかよ…」
普通だったら有り得ない。
…普通だったら、な。
生憎と、ルレイアは普通じゃない。
あいつなら気づいててもおかしくない、と思わせてくるのが凄いな。
…ってことは、結婚式の模様をずっと、こうして覗き見していることも、ルレイアは気づいてるんだろうな。
…なんか、ちょっと申し訳なくなってきた。
新郎新婦は、参列者に祝福されて、フラワーシャワーを浴びながら教会の外に出てきた。
「おっ、やったぜ。ここからはスコープで見れるな」
教会の外に出てくれれば、もうアイズのカメラで見る必要はない。
アリューシャは、小さなタブレット端末から、愛用のスナイパーライフルのスコープを覗き込んだ。
俺も、先程まで使っていた双眼鏡を両目に当てて、結婚式の様子を観察した。
ルレイアとマリーフィアは、フラワーシャワーを浴びながら、笑顔で手を振っていた。
マリーフィアは、幸福を体現したような、輝くばかりの笑顔だったが。
ルレイアの方は、遠目からでも分かる「業務用」の笑顔だった。
長い付き合いだから分かる。あれが、ルレイアの本当の笑顔じゃないってことが。
…見ているだけの俺達は、好き勝手なこと言って一喜一憂出来るけど。
今あの場所にいるルレイアは、自分の役割を演じることに懸命で、一瞬たりとも気が抜けないんだよな。
そう思うと、ルレイアが気の毒でならなかった。
今すぐあそこに…ルレイアの隣に行って、ルレイアを安心させてやりたかった。
少しは気を抜いて良いんだ、って言ってやりたかった。
…今の俺には、そんなことも出来ないけどな。
無力な自分が、どうしようもないほどに歯痒かった。
忸怩たる思いで、双眼鏡でルレイアを見つめていると。
まるで、そんな俺の思いが伝わったかのように。
ルレイアは一瞬だけ、はっきりとこちらを向いた。
双眼鏡越しにルレイアと目が合って、俺は思わずたじろいだ。
えっ、う、嘘だろ?
そして、ルレイアはほんの一瞬。
「業務用」じゃなくて、本物の笑顔を…。
ルレイアの、本当の笑顔で微笑んだ。
まるで、目の前にいるかのように。
「…」
驚愕に目を見開いていると、次の瞬間にはルレイアはまた「業務用」の笑顔に戻って、参列者に愛想を振り撒いていた。
…い、今の見たか?
「今…ルレイア、こっち見たよね?」
シュノも気づいたらしく、びっくりして呟いていた。
「あ、あぁ…。こっちを見てた…」
「やべー。スコープ越しに目が合ってびびった。思わず反射的に引き金を引くところだった」
おい、アリューシャ。ルレイアを撃つなよ。
まぁ、今は弾が入ってないから、引いても撃つことはないけども。
「偶然…じゃないよな?」
見間違いでもあるまい。俺だけじゃなくて、アリューシャやシュノも見てるんだから。
「さすがルレイア師匠。僕達がここで見ていることを分かってたんでしょうね」
「マジかよ…」
普通だったら有り得ない。
…普通だったら、な。
生憎と、ルレイアは普通じゃない。
あいつなら気づいててもおかしくない、と思わせてくるのが凄いな。
…ってことは、結婚式の模様をずっと、こうして覗き見していることも、ルレイアは気づいてるんだろうな。
…なんか、ちょっと申し訳なくなってきた。


