The previous night of the world revolution8~F.D.~

「マジかよ。ルレ公が白い服着てる…!」

「いつも黒い服を着たルレイア師匠を見慣れてるから、白いタキシード姿に違和感しかありませんね」

…同意。

白だろうが黒だろうが、何を着ても似合うのはさすがだと思うが。

珍しく白い服を着たルレイアに、違和感しか感じない。

アリューシャじゃないけど、あれ本当にルレイアか?って思う。

でも、顔をよくよく見てみたら、ちゃんとルレイアだ。

ルレイアが、業務用の作り笑いを浮かべて、マリーフィアの手を取っている。

…何だろう。非常にモヤモヤすると言うか。

…いっそ、アリューシャにマリーフィアを狙撃してもらうよう頼みたかった。

すると、俺の心の中の葛藤を察したかのように。

「…分かるわよ、ルルシー。辛いわよね。ルレイアが他の女の人と結婚するなんて…。でも大丈夫よ。あれは演技だから。ルレイアの心は、いつだってルルシーの隣にいるわ」

「あ、ありがとう…?」

シュノが、俺を励ましてくれた。

…別に良いよ、俺は。ルレイアが誰と結婚しようが…。

ただ、ちょっと、その…自分以外の人間がルレイアの隣にいるのを見ると、モヤモヤするだけだ。

「で、あの隣にいるのがルレ公の嫁さん?」

「そうだ。マリーフィア・ユール・カミーリアという名の貴族だ」

「ほーん。いかにも小娘って感じだな…」

と、スコープを覗きながらアリューシャが呟いた。

そうだ。ルレイアばかり見てないで、そのマリーフィアという女を確認しなくては。

俺は再び双眼鏡を両目に当てて、ルレイアの隣にいる女を凝視した。

マリーフィアは真っ白なウェディングドレスに身を包み、白いヴェールを被っている。

ヴェールのせいで、顔がよく見えないが…。

双眼鏡越しでも、相当な美人だということは分かる。

ふーん…。あれがマリーフィア…。

あの女が、ルレイアの花嫁…。

…釣り合わないにも程があるな。

あんな、いかにも無邪気で無垢そうで、生まれた時から蝶よ花よと育てられた小娘じゃ。

ルレイアの抱える闇に、寄り添うことは出来ないぞ。

「…ルルシー先輩。親の仇を見るような目になってるぞ」

「はっ」

ルリシヤに指摘されて、俺は慌てて双眼鏡を顔から離した。

「べ、別に…」

「マリーフィアが憎いのは分かるが、あれはあくまで仮初めの結婚だ。ルレイア先輩が戻ってきたら、ルルシー先輩と本当の結婚式をしよう。な?」

「誰がするか」

それで俺を宥められると思ったら、大きな間違いだぞ。

…すると。

「あ、アイ公だ。アイ公みーっけ!」

スコープを覗いていたアリューシャが、突然はしゃいだ声を上げた。

…は?アイズ?