The previous night of the world revolution8~F.D.~

それから数十分後。

俺は、帝都にある大きな教会…。

…の、数キロ先にある、『青薔薇連合会』所有のホテルの屋上に居た。

「よし、望遠鏡のセットは完璧だ」

「見える?ルリシヤ。ここから見えるの?」

「見えるぞ、シュノ先輩。覗いてみてくれ」

「どれどれ…。うわぁ、本当だ。目の前みたいに見えるのね」

ルリシヤがセットした超高性能望遠鏡を覗いて、歓声をあげるシュノ。

…言っておくが、これは盗撮である。

「僕は自前の双眼鏡を使わせてもらいますね」

ルーチェスは、自分で持ってきた双眼鏡を両目に当てて、結婚式が行われる教会を盗み見ていた。

堂々と。ホテルの屋上で。

お前ら、全員捕まってしまえ。

言っとくが、俺は反対したんだぞ。断固として。

いくらルレイアのことが気になるからって、招待されてもいない人様の結婚式を、ホテルの屋上から盗み見るような趣味はない。

しかし。

俺がそう言うと、ルリシヤが、

「じゃあルルシー先輩だけ留守番だな」と無情に言って。

…なんかそれもムカつくから、結局ついてきてしまった。

あとは、まぁ、その…。

…俺だってルレイアが心配なんだよ。悪いかよ。

動機はそれだけである。決してゲスい下心がある、とかじゃなくて。

「おー、ほんとだ。見える見える」

「アリューシャ…。お前はルレイアを狙撃するつもりか?」

あろうことか、アリューシャは愛用のスナイパーライフルを構え、美しい伏せ撃ちの姿勢を取っていた。

さすが『青薔薇連合会』イチのスナイパー。構え方が無駄に格好良い。

狙撃銃を持ってる時なら、アリューシャはめちゃくちゃ頼りになるんだがな。

「え?だって、アリューシャはこれが一番よく見えるんだもん」

「あ、そう…」

望遠鏡でも双眼鏡でもなくて、スナイパーライフルのスコープで見てんのな。はいはい。

くれぐれも、間違えて撃つなよ。

「あ、見つけた。ルレイア師匠ですよ」

何だと?

俺は反射的に手を伸ばし、ルーチェスの双眼鏡を奪い取った。

「あ、ちょっと」

「何処だ?ルレイアは何処にいる」

「ほら、教会の出入り口のところだ。隣にマリーフィアもいるぞ」

望遠鏡を覗くルリシヤに言われて、俺は教会の入り口の辺りを、必死に目を凝らして見つめた。

完全に俺も盗撮犯だな。申し訳ない。

でも、世の中には優先順位ってものがあるから。

「え、マジ?ルレ公いるの?何処に?」

「よく見てください。白いタキシード着てるのがルレイア師匠ですよ」

「マジかよ…。うわっ、本当だ。白い服着てるから分かんなかった。マジでルレ公じゃん」

スコープ越しに、あっという間にルレイアを発見するアリューシャ。さすがである。

…俺も見つけたよ。

白いタキシード姿のルレイアが、同じく白いウェディングドレスを着た小柄な女性に、手を差し伸べていた。