The previous night of the world revolution8~F.D.~

…借金まみれの下の二人の争いに反して、上二人の運の上振れが凄いな。

そんなに差がつくことってある?皆同じルーレットを回したんだよな?

「ルーチェスの人生は面白かったよね。高校中退して動画配信者の道を選んだ時は、これはもう無理かと思ったけど…」

「動画がバズりまくって、あっという間に登録者10万人を越えたもんな」

マジ?

ルーチェス、そんなリスキーな人生送ってたの?

現実再現じゃん。

「転職する機会が何回もあったのに、ずっと配信者一筋で頑張って…最終的には登録者が3000万人を越えたよね」

それは凄い。

一体どんな動画を作ってたんだろうな。ちょっと気になる。

「一つのことを一途に極めた結果、この総資産額…。さすがだね、ルーチェス」

「ありがとうございます。今ここにはいないルレイア師匠の為にも、弟子である僕が負ける訳にはいきませんから」

「弟子の鑑だな、ルーチェス後輩は」

「何にせよ、おめでとう。ルーチェス」

「次はアリューシャも、どーがはいしんしゃ?ってのになろーっと」

アリューシャ、お前はやめとけ。

ルーチェスは運良く大成功したが、あれは素人が安易な気持ちで手を出して良いものでは…。

…って、何考えてるんだよ、俺は。

そんなことどうでも良いだろ。

「よし、じゃあ人生2回目を…」

「ちょっと待てお前ら」

早速二度目の人生を始めようとする幹部達に、俺は慌てて割って入った。

「どうしたルルシー先輩。一緒にやるか?」

やらねーよ。ふざけんな。

「お前ら、さっきから…こんなところで何人生ゲームやってるんだよ。それどころじゃないだろうが…!」

「…そう言われてもな…。暇潰しに丁度良かったものだから…」

「じゃあ、代わりにトランプでもします?」

ブチッ。

人生ゲームが嫌なんじゃねーよ。お前らがこの部屋で遊んでるのが問題なんだ。

「お前ら…。全員まとめて追い出すぞ」

「ルルシー先輩、今日はいつにも増して荒れてるな…」

「無理ないですよ。今日はルレイア師匠の結婚式ですからね」

うぐっ。

ルーチェスの言葉が、胸に突き刺さる。

「分かるわよ、ルルシー。私も同じ気持ちだから…」

「しゅ、シュノ…」

「だから、こうして皆で遊んで気を紛らわせてるの」

そ…そうだったのか。

俺はてっきり…皆で楽しく遊んでるだけかと…。

「アリューシャは普通に人生楽しんでたけどな!」

「…殴るぞ、アリューシャ」

やっぱり普通に遊んでただけなんじゃねーかよ。

この、馬鹿アリューシャは…。

「そんなにカッカしないで。単なる暇潰しだよ、ルルシー」

「アイズ、お前まで…。暇を潰してどうするんだよ。仕事をしろよ」

俺達皆、『青薔薇連合会』の幹部なんだぞ。暇を持て余して、人生楽しんでる余裕はないはずだろ?

泣く子も黙る『青薔薇連合会』の患部が、人生ゲームを前に一喜一憂してるなんて。

世間様に知られたら、一生顔を上げて外を歩けないぞ。