――――――…オルタンス達が俺の結婚を知り、憶測を重ねていた頃。
いよいよ結婚の日を迎えた俺は、美しく着飾って、カミーリア家に向かった。
そこには、同じく着飾った花嫁のマリーフィアが待っていた。
今日という結婚の日を迎えたマリーフィアは、無邪気に幸せいっぱいの表情だった。
「ルナニアさん…。あ、いえ…ルシファーさんとお呼びした方が良いのかしら」
「とんでもない。ルナニアで良いですよ」
俺は苦笑してそう言ったが。
内心では、ルシファーなんて気持ち悪い名前で呼ぶな、と思っていた。
ルナニアと呼ばれる方が、まだマシですよ。
「ありがとうございます。じゃあ、これからもルナニアさんと呼ばせていただきますわ」
「えぇ、そうしてください」
「それで、その…。今日の…わたくしの格好…どう、思われます?」
もじもじとしながら、マリーフィアは照れ臭そうにそう聞いてきた。
マリーフィアは、真っ白な古臭いウェディングドレスに身を包んでいた。
女の子なら誰もが憧れる、純白のウェディングドレス…だが。
妙に古臭いデザインで、「何世代前の衣装だ?」と聞きたくなる。
「とても素敵ですよ。驚くほど綺麗です。…俺には勿体ないほどに」
「まぁ…」
それでも俺は、古臭いなんて一言も言わずにべた褒め。
「このウェディングドレスは、カミーリア家に代々伝わるドレスなんですの。わたくしのお母様も、お祖母様も、結婚式にはこのドレスを着たんですのよ」
とのこと。
あぁ、成程。道理で古臭い訳ですよ。
俺はいつだって流行の最先端を生きていたいタイプなので、そういう「先祖代々伝わる〜」とかいうのは嫌いですね。
先祖は先祖、自分は自分だろう?
門出の日だというのに、他人が着古した古臭い服を着るなんて、絶対御免ですよ。
…しかし、かく言う俺の格好も、非常に残念である。
「ルナニアさんはいつも素敵ですけど、今日はまた一段と素敵ですわ。王子様が歩いてきたのかと思いましたもの」
「本当ですか?ありがとうございます」
俺は笑顔でそう答えたが、内心では唾を吐き捨てていた。
俺の弟子が本物の王子様ですけど、ルーチェスだってこんな格好しませんよ。
今の俺が着ているのは、花婿が着る真っ白なタキシード。
いかにもシェルドニア王国の愚民共が好きそうな、忌々しい真っ白なタキシードだ。
うぇ。
これに袖を通した時は、思わず吐き気を催すかと思いましたよ。
純白のタキシードに、純白のウェディングドレス…。
見ているだけで、気分が悪くなってくる。
でも仕方ないじゃないですか。
俺の理想の結婚式では、真っ黒なタキシードを着て、ルルシーには真っ黒なウェディングドレスを着て欲しかったんだけどなぁ…。
非常に残念ですよ。…非常にね。
それでも、俺は作り笑いを浮かべなければならない。
「マリーフィアさん…。必ず、あなたを幸せにします」
「ルナニアさん…。ありがとう。わたくし、あなたのことを愛していますわ…」
…こんな下らない茶番が、この世にあるか?
…ましてや。
この下らない結婚式を、仲間達が影から見守っているかと思うと。
彼らに申し訳なくて、恥ずかしくて、今すぐ謝りたくなるというものですよ。
いよいよ結婚の日を迎えた俺は、美しく着飾って、カミーリア家に向かった。
そこには、同じく着飾った花嫁のマリーフィアが待っていた。
今日という結婚の日を迎えたマリーフィアは、無邪気に幸せいっぱいの表情だった。
「ルナニアさん…。あ、いえ…ルシファーさんとお呼びした方が良いのかしら」
「とんでもない。ルナニアで良いですよ」
俺は苦笑してそう言ったが。
内心では、ルシファーなんて気持ち悪い名前で呼ぶな、と思っていた。
ルナニアと呼ばれる方が、まだマシですよ。
「ありがとうございます。じゃあ、これからもルナニアさんと呼ばせていただきますわ」
「えぇ、そうしてください」
「それで、その…。今日の…わたくしの格好…どう、思われます?」
もじもじとしながら、マリーフィアは照れ臭そうにそう聞いてきた。
マリーフィアは、真っ白な古臭いウェディングドレスに身を包んでいた。
女の子なら誰もが憧れる、純白のウェディングドレス…だが。
妙に古臭いデザインで、「何世代前の衣装だ?」と聞きたくなる。
「とても素敵ですよ。驚くほど綺麗です。…俺には勿体ないほどに」
「まぁ…」
それでも俺は、古臭いなんて一言も言わずにべた褒め。
「このウェディングドレスは、カミーリア家に代々伝わるドレスなんですの。わたくしのお母様も、お祖母様も、結婚式にはこのドレスを着たんですのよ」
とのこと。
あぁ、成程。道理で古臭い訳ですよ。
俺はいつだって流行の最先端を生きていたいタイプなので、そういう「先祖代々伝わる〜」とかいうのは嫌いですね。
先祖は先祖、自分は自分だろう?
門出の日だというのに、他人が着古した古臭い服を着るなんて、絶対御免ですよ。
…しかし、かく言う俺の格好も、非常に残念である。
「ルナニアさんはいつも素敵ですけど、今日はまた一段と素敵ですわ。王子様が歩いてきたのかと思いましたもの」
「本当ですか?ありがとうございます」
俺は笑顔でそう答えたが、内心では唾を吐き捨てていた。
俺の弟子が本物の王子様ですけど、ルーチェスだってこんな格好しませんよ。
今の俺が着ているのは、花婿が着る真っ白なタキシード。
いかにもシェルドニア王国の愚民共が好きそうな、忌々しい真っ白なタキシードだ。
うぇ。
これに袖を通した時は、思わず吐き気を催すかと思いましたよ。
純白のタキシードに、純白のウェディングドレス…。
見ているだけで、気分が悪くなってくる。
でも仕方ないじゃないですか。
俺の理想の結婚式では、真っ黒なタキシードを着て、ルルシーには真っ黒なウェディングドレスを着て欲しかったんだけどなぁ…。
非常に残念ですよ。…非常にね。
それでも、俺は作り笑いを浮かべなければならない。
「マリーフィアさん…。必ず、あなたを幸せにします」
「ルナニアさん…。ありがとう。わたくし、あなたのことを愛していますわ…」
…こんな下らない茶番が、この世にあるか?
…ましてや。
この下らない結婚式を、仲間達が影から見守っているかと思うと。
彼らに申し訳なくて、恥ずかしくて、今すぐ謝りたくなるというものですよ。


