The previous night of the world revolution8~F.D.~

…さて、気の毒なストーカー被害者に関しては、今回の主題ではないので脇に置いておくとして。

暗殺に使うとしたら、この部屋で問題ないだろう。

室内を見渡すと、壁際に小さな本棚が置いてあった。

その本棚には、本は入っていなかった。

代わりに、黒いDVDケースが並んでいた。

ケースの背表紙には、「○年○月ルルシー♡」、「○年○月ルルシー♡♡」などと記入してる。
 
それがずらっと。軽く5年分はある。

…成程。
 
写真だけに飽き足らず、映像データも大量に入手しているらしい。

哀れなストーカーの被害者が、ルルシーさんという名前であるということは分かった。

折角だから、このDVDを使わせてもらおうか。

僕は、寝室の扉を半開きにして。

本棚の中からコレクションの一つを取り出して、廊下から見えるように寝室の扉の入り口に、DVDケースを置いた。

更に、寝室の入り口に、張り詰めたピアノ線を引く。

僕自身は、入り口から見えないように、そっとソファの影に潜む。

…よし。これで準備は完了した。

取り出した懐中時計を確認する。

…ターゲットの帰宅予定時刻まで、あと少し。

あとは、ターゲットの帰宅を待つとしよう。








…ベッドの影に潜んで、15分ほど経った頃。

「ただいまー。ルレイアが戻りましたよ」

玄関の扉が開けられる音がして、ターゲットが帰宅した。

自ら名乗ってくれるとは。非常に有り難い。