The previous night of the world revolution8~F.D.~

ーーーーー…依頼者から、莫大な金額の報酬を渡された僕は。

命じられた任務を果たす為に、ターゲットの自宅に侵入した。

今回のターゲットは、自宅が一つではないらしく。

拠点として、様々な家屋やマンションの一室を所有しているとか。

金持ちのターゲットにはよくあることだが、僕達暗殺者にとって、これほど厄介なことはない。

どの家に帰るのか分からなければ、罠の張りようがないからだ。

だが、今回はこの問題はクリアしている。

今日、ターゲットは僕が今ここにいる、目の前のマンションに帰宅予定という情報が入った。

そこで僕は、こうしてマンションに侵入する為にやって来た。

これも金持ちのターゲットあるあるだが、なかなかに警備が厳重である。

苦労してマンションに入り込み、該当の部屋の前にやって来た。

しかし、苦労はまだこれからだ。

指紋認証とカードキー、パスワード、どれもが一致しなければ開かない仕様の、特殊な扉が僕の前に立ちはだかっていた。

…まったく。面倒なことをしてくれる。

並みの暗殺者だったら、ここで諦めるところだろうな。

だが、僕にとっては、さしたる脅威にはならない。

僕は懐から、暗殺者御用達の指紋捏造キットを取り出した。

このターゲットの指紋は、これまでにも作成したことがある。だからこれを使えば指紋認証はクリア。

次に、カードキーとパスワードだが…。

僕は、防犯ブザーくらいの大きさの、特殊なハッキング用端末を取り出した。

これを使って、ニセのパスワードとニセのカードキーを、本物と誤認させる。

ものの5分足らずで、扉の鍵を解除。

ざっとこんなものだよ。

僕にとっては、お茶を一杯飲むようなもの。

さて、それじゃターゲットの部屋にお邪魔させてもらうとしよう。